このキットは単品でも出回っていますが、私が組んだものはモノグラムがボーイングB-52Bのキットを手直しして実験機を吊り下げるパイロンなど追加してNASAのNB-52Bに変更し、それに吊り下げる実験機としてセット販売されたX-15を組んだものです。
付属の組み立て説明書は当然パイロンにぶら下がった状態なので。主脚は閉状態が指定なのですが、部品は地上移動用のドリーや主脚も入っているので地上姿勢でキャノピーをオープンの状態で仕上げ、写真を撮ってからキャノピーと主脚を閉状態にして親機に吊り下げ、NB52-Bの写真を撮りました。
左側のがキットの箱を展開して撮影したもので、ゆがみと汚れがひどく
年月を感じさせます。
箱絵自体は構図がなんだか不自然でいただけない感じです。
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キットには飛行姿勢にしたときのスタンドと与圧服を着た飛行士、主脚を閉状態にするときに使う脚庫の扉がついています。
キャノピーを開状態にしたときに支える支柱は0.5ミリの真鍮線で自作し飛行士の立っている丸い台座もついていないのでプラバンの切れ端からの自作です。
飛行士の右側の黒い塊が主脚の扉ですが主脚を外してそのままはめ込んでも固定できないので裏側に低発泡のスチロール片を貼り付けて脚庫のモールドにはめ込んだ時に扉が固定できるようにしてあります。
スタンドは飛行状態でロケットの排気口に差し込んで固定するように単品の組み立て説明書には書いてあるようですが、試していません。 |
こちらがキャノピーを閉状態にして主脚を外して閉状態にし、ドリーも取り外してパイロンに吊り下げられる状態にした状態です。
ちなみに外した主脚には脚庫のモールドにセットしたときに接着しないと固定できないぐらいの貧弱なモールドしかついていないで0.5ミリの真鍮線で補強し胴体の上側にプラのブロックを貼り補強で追加した真鍮線の刺さる穴をあけてあります。
ドリーの胴体への固定は両面テープを使いました。
セットキットのかたわれであるNB-52Bも部品がうまく統合されていて覗き込むようなあら探しをしなければ少ない部品でしっかり外観が仕上がるつくりになっていますが、このX-15の方はそれの上を行っていて、スタンドやタイヤなどの部品を入れても35個しか部品がありません。
35の部品の中には飛行士のフィギュアやA型には不要なスクラムジェットの部品も含まれるので驚きです。
一体化成型を多用しているので主翼の下半角とか、接着時に神経を使う必要がないのはよいのですが、胴体上半分と一体化されているので下半分が浮いた状態であるためうっかり部品を押さえたりすると壊れます。
一体成型で「うまく作ってあるなぁ」と感心させられるのはコックピット周りです。
基本、胴体上面とコックピットの下面、それに計器盤と操縦桿で組み立てるだけで複雑に見えるコックピットがしっかり出来上がってそれっぽく塗り分ければそこそこ見えるような操縦席ができあがります。
キャノピーをオープンにしたときに胴体の操縦席の縁に支持棒を突っ込んで支える穴が4個所あるようですが、このスケールでは細すぎて難しいので、0.5ミリの真鍮線で支持棒を作りキャノピーと操縦席左側の最前部に支持穴をかろうじてあけ組み上げました。
ちなみに0,5ミリでも太いのですが強度上これで我慢しました。
支持棒の塗装は紅白の螺旋のものがありますが0.4ミリのマスキングテープを巻いても太すぎるので銀色に塗りました。
一体化もメリットばかりではなく弊害もあります。
主脚は写真で見ると主脚扉の中にさらに小さい扉があって開いた状態なので、開いた部分は穴が開いていなければならないのですが、一体成型であるため小さいプラのモールドの塊を神経を使って薄く削り穴をあけなければなりません。
先頭の写真で主脚のタイヤの後ろに主脚カバーがついていて、その下部中央にさらに小窓が後ろに開いている様子がかろうじて見えますが、ほかのモールドを傷つけないように扉を薄く削り(というより彫り込んで)小窓の部分に穴をあけるのは大変でした。
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胴体の下部両側ついている紅白の燃料タンクも一体成型になっているため、後ろから見たときのハッチやコック類のモールドが実機と違った向きに並んでしまうので半球状の後端を切断して正しい位置に回転し貼りなおさなければなりません。
左の2枚の写真で半球状の燃タン後部についている銀色のハッチとコックが見えますが素組するとハの字に開いてしまうので半球部分を切り取って地面に対して垂直に並ぶように作り直してあります。
キット自体はとてもよさげなのですが、塗装が大変でデカールで塗装が限定されてしまっているので、ネットで拾った実機の写真を見ながら実機と同じように塗るのに苦労しました。
全体に暗く仕上がってしまいましたが、実機は塗料がはがれてそうなったというより、もともとの塗装がこすられて薄くなったみたいな微妙な色をしているのとリベットのヘッドの塗料がはがれているのかリベットラインが銀色に光るので0.4ミリのマスキングテープでラインが見えるように塗り分けました。
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もう一つ大変だったのが燃料タンクで、実機の下地の各所に書かれたステンシルを残して紅白に塗っているようなので、離れて見ると銀色のまだらが点在して見えるため紅白に塗ってからステンシルの部分だけ銀色になるように細かくマスキングして銀色を吹き再現してあります。
銀色の部分にはステンシルの文字が入るのですが、細かすぎてプリンタでデカールを作っても点々にしか見えないのでやめました。
付属のデカールは古すぎて心配だったけれど色もよかったし,試しに失敗しても影響の少なそうな部分を切り取りお湯につけて貼ろうとしたら案の定粉々に割れ散ってしまいました。
どうしようかと途方に暮れたのですが、泣いてもわめいてもX-15のデカールは白文字ばかりなので、多少厚くなってもいいからとクリアをたっぷり吹き付けて使用したら一つも破損するものもなく使うことができました。
しかしながら白地の隠ぺい力が薄く黒い胴体に貼ると全てスモークをかけたように黒ずんで見えるのが残念なところです。 |
  
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