「プラモデルが好きだ!」 展示室


UPC/マルサン 1/50 ki-15  三菱雁一型通信機 「神風」号
2014年5月完成。
 このキットのオリジナルはマルサン商店が1962年に発売したキットだが、私が作ったのはアメリカのUPC社がそれをOEMして販売したものをネットで見つけて購入したもの。
 UPCは販売にあたり箱絵(左)などの外装は自社で作りなおしているが、組み立て説明書はマルサンのものを英訳して流用していて橋本喜久男氏の流麗なイラストを見ることができる。
 箱絵はマルサンとは別物を新たに画き直した割にはパッとしない。
 組み立て説明書のイラストが素晴らしいで掲載した。
 マルサンがこのキットを出した当時、日本のプラモデルがここまで来たかと感動したものであるが。必死に探して入手した中古キットの中身は今のキットに見慣れた目には厳しいものがあり、橋本氏のイラストのようにはすっきり組みあがらず、風防の修正、主脚のスパッツの形状修正、尾輪とアンテナの金属化、方向陀、昇降陀、補助翼の可動部の補強などかなり手を加えた。
 キャノピーはもともと再入手版が薄茶色に変色してしまっていたうえ氷砂糖みたいで作り直さなければなかったので「氷砂糖」を型のベースにしてヒートプレスで作り直した。
 デカールは変色して丸まってしまって全く使えないうえ、これも古いキットの故か写真で見るのと違うのでネットの写真と2冊の資料(「日本航空史100選シリーズ1」「生きている航空日本史外伝(上)日本の航空ルネサンス」)にある図面と写真から作り直したが、この2つの資料についている図も結構いい加減で、特に主翼上面の文字の位置が写真と違うので貼るときは苦労した。
 キャノピーとコックピット周りはオリジナル尊重で、というより直したらえらい手間になりそうだったのでそのままにして、胴体断面形だとか主脚の取り付け角度(そのままつけると後ろに傾いたようにくっついて格好が悪い。)厚さなどを削り込みとパテ盛で修正した。
 尾輪は黄銅板と黄銅線、タイヤは丸いプラ材で作り直したので何とか可動するのであるが主輪が銅線を通した関係上前後に2~3度しか動かないので意味がない。
 文字の位置にこだわった割には胴体側面の観測窓の位置をそのままにしたしわ寄せで「J-BAAI」が寸詰まりになって台無しになってしまったのはちょっと残念。
 ずっと悩んだのが、「『神風』の青」でGooに聞いたり、モノクロ写真を調べたりあれこれ悩んだ挙句、「なす紺」色に塗った。
 モノクロ写真で見ると空色みたいにすごく明るく映っている写真があって惑わされたが、どうも光の加減でそのように見えるらしく最終的には出来上がりのような色に落ち着いて満足している。
 マイクロビーでプロペラが回る。

 翼上面の「J」の位置は写真で見るとエルロンの駆動策のカバーみたいなやつに掛っているのが確認できるけれど、2冊の資料についていた図面は不正確だった。

 ウイングクラブのソリッドモデルはちゃんとそうなっているようだ。

 レタリングは胴体の右が日本語表記、左が英語表記。
 こういう機体なので飯沼飛行士と塚越機関士を乗せたのだけれどキャノピーの枠が狭いうえにヒートプレスの出来がいまいちだったのでよく見えない。

仮に保管するために作った収納箱の段ボール製の支えが見苦しいけれど、下面はこんな感じ。