「プラモデルが好きだ!」 展示室


LS 1/75 三菱A6M2 零式艦上戦闘機21型 台南空 坂井一飛曹機
 この写真もスキャンしたネガの中に入っていたやつで、これもこの一枚だけ。
 見た目以上に手を入れていて修正個所は多い。
 修正個所:機首周り、翼端やカウリング後縁の薄々攻撃とキャノピーのヒートプレス。
 ネガの劣化で若干飴色がかっているけれど、私は飴色派ではない。


大滝 1/48 三菱A6M5 零式艦上戦闘機52型丙 第131航空隊 長浜一飛曹機
 蜘蛛の子みたいに数ある零戦のキットがまともじゃなかった時代の話をリニューアル前に書いているけれど、今や決定版の嵐で食傷気味になってしまい変われば変わるもんだと・・。
 このキット、細部は甘いしキャノピーの枠なんか内側にモールドされちゃっていたけど、このキット見て「これでどうやらまともな格好の零戦が出た。」と心の底から思ったわけで、大滝は本当に偉かった。
 これもネガが見つからないので写真はリニューアル前のまんま。

 この塗装は航空情報別冊の「日本海軍戦闘機隊」に出ていたイラストを参照して塗ったので、この機体が52型丙だったかどうかは怪しい。
 52型丙なら谷水飛曹長機の撃墜マーク付きのがあるだろう・・と言うところであるがこれを作った当時は、尾翼の機番号が写った写真が出回っていなかったので選べなかった。


タミヤ 1/32 三菱A6M5 零式艦上戦闘機52型 第253航空隊 岩本徹三飛曹機
 このスケールのキットは大昔にマルサンの1/35を小学校4年生か5年生の時に造った記憶が・・。
 それより小さいスケールは数多く造っているけど一番最初はニチモのデスクトップモデルだったかも・・何しろえらい古い話なので定かではない。
 とにかくまともに出来上がったのは上にあげた大滝のが最初で、大昔に作ったマルサンの1/35は下面色だけ青銀色に塗ったことを覚えているぐらいだから、まだ作り方にこだわりもへったくれもなかった。(今残っていれば高く売れるだろうなぁ・・)
・・でタミヤのこれが出たとき、これはもう一遍作り直さなければと思っていたのに、延びに延びて今になってまった
 253空の岩本徹三機は21型で描かれたり、52型だったりはては22型だったという説まであるけれど写真もないのでどれが正しいとも誰にも決められない。
 ここでは「我が家の趣味の世界」の「Photo BBS 映像談話室」に掲載されている52型の初期型(下面の排気管の長さが長くて、胴体に排気管の耐熱板の貼ってないやつ。・・・モールド削っただけだれど・・)にした。

 
耐熱板を削り、排気管を延長、滑油冷却器の空気取り入れ口の整流板なしに修正してある。
 ついでに気化器の空気取り入れ口の補強棒もなしにした。(いじりまわしているうちに取れてしまったのが本当だけど)
 せっかくリアルサウンドでエンジン始動から全開運転までできるのに、パイロットが乗っていなければ間抜けなので撃墜王岩本徹三氏に搭乗してもらった。
 航空眼鏡はかぶっていると格好悪いので、飛行帽の上にはずした状態にした。
 塗装はがれはシタデルの水性塗料を使ってやってみたがうまい具合にできた。
 緑一色で味気ない機体なので、風防枠の塗装はがれもふくめてとても良いアクセントになった。
 これって整備の人が一生懸命磨くので風防枠の塗装が早くはげるんだろうなぁ・・。
 せっかくいろいろ部品を作りこんでも、カウリングはエンジンのバッフルプレートが再現されていないので開くことができず、わずかに後ろのパネルがはずせるだけで作りこんだ苦労が全然報われないキットである。
 取り説ではモーターライズしたときにはオイルタンクは搭載させない仕様であるが、モーターのコネクタをなくして直結すれば収まるのでそうしたが、配線が隠しきれなかった。
 ZOTZのデカールを金出して奮発したのに途中でデカールを貼ってしまって、いじりまわしているうちにとれてしまってあせった。
 とれただけでなく破損してしまったので、再度手配したが既に絶版で、海外サイトでも購入できないためインクジェットで再生した。
 もともとZOTZのデカール(右の写真が残骸)は色が桜色というよりどぎつい桃色なうえに、桜の形もなんだか星みたいなのでついでに形も修正した。
 左側が自作した方だけれど、下地の白を吹きつけるのに東京紙器というレーザー加工のメーカーに頼んでマスクシートの加工を依頼したものを使ったらうまくできた。
 作り方はZOTZのスキャンデータ(スキャンしておいてよかった)を利用して、修正した桜と八重桜(右の2つ)をZOTZのデータに重ねて置いていってつくった。(出来上がりが左端でこれで東京紙器にお願いした。)
 レーザーカットのカット幅は0.2ミリになるそうなので、線上をカットすると0.1ミリ外側に広がることになるのであるが、ちょっとずれてもここは自作の強みで原画をコンマ1ミリ外側に広げれば問題ないし、実際今回使ったデータはマスク以外はもとのZOTZのデータで色をいじっただけなので、下地の白がはみ出ない程度に外側に大きくしておけばはみ出る分には色自体に隠ぺい力がないので出来上がっても目立たない。
 逆にボケボケの原画でも下地の白さえ綺麗な形にすればすっきりくっきりできるという理屈。
 上の出来上がり写真でもよく見ると桜の外側に赤っぽいしみが所々出ているけど目立たないでしょ。
 でこれが、東京紙器に作ってもらったマスキングシートで左側が使用前で右側が剥がして使った後で内側の桜の部分の切り抜きが残っている。
 DIY用のマスキングテープを黒いボール紙に貼り付けたものに、レーザーカットして出来上がってきた。
 桜と桜の間が1ミリ以下のところもあるので、慎重に剥がさないと破れてしまうがゆっくり剥がせば問題なし。
 今回機体後部の銘版表記のデカールの上にさらにマスキングしなければならなかったので、銘版のデカールの上に透明にコートしてからでも下地を剥がす恐れがあった。
 対策としてはマスキングシートをボール紙の台紙から右半分剥がしてから、ボール紙の上にタルカムパウダーを筆で塗って貼り戻し、次に反対側も同様に剥がしてタルカムパウダーをボール紙の上に塗って貼り戻すという方法で、テープの粘着力を調整したが、一回でうまくいった。(一回でうまくやらないと、銘版のデカールの予備は無いのでよかった。)
 今回の自作(盗作?)デカールのマスキングシートは、撃墜マークだけだったので、東京紙器にはA4で同じマークを3×16個もカットしてもらったが、試し塗りやら、粘着力調整の試行錯誤で6枚使っただけで12枚余った。
 しかし、これで割れてしまったデカールだとかスケールの違うデカールを拡大したり縮小したりして、自作するときに下地の白をどうするかを悩まなくて済むようになったので、東京紙器さまさまである。
東京紙器:http://www.tokyo-shiki.co.jp/index.cgi

タミヤ 1/32 三菱A6M5 零式艦上戦闘機52型 第210航空隊
三菱設計の零戦なのだけれど、子供の頃からのすりこみイメージで胴体の塗り分け線が日の丸の後ろから水平尾翼の前縁までせり上がっていく中島製が零戦のイメージで、おまけに日の丸はやっぱり白地に赤でなければしっくりこないので最初は302空の赤松機にしようと思ったのだけれど、あれは甲型で主翼が違うので作れないと分かって、タミヤのキットにデカールが付いているこれにした。
この機体は写真もあって塗装はそれを見て造った。(実機写真の解説では愛知県明治基地とあったが、翼面の操縦席下の塗装はがれも少なく、風防に至ってはほとんど塗装剥がれもなく、使い込まれた感じがしない。・・風防の塗装は調子こいてかなり剥がしてしまったけれど、実機の写真はほとんど剥げていない。
・・で中島製なので、滑油冷却器の空気取り入れ口には整流板がついていて、カウルフラップの後ろの耐熱版は中島製の不細工で大きなやつが・・、気化器の空気取り入れ口の補強棒あり。(こちらの方が後から作ったのでいじくり度合いが少ないのか取れなかった。)
 デスクトップモデルなのでパイロットは搭乗していて、これはキット通り飛行眼鏡を着用しているけれど、どうも格好悪い。
 開け閉めはぎくしゃくしているけれど、脚庫の扉が閉位置で隙間が見えないのはさすがにタミヤ。

 モノクロ写真で見ると空色みたいにすごく明るく映っている写真があって惑わされたが、どうも光の加減でそのように見えるらしく最終的には出来上がりのような色に落ち着いて満足している。
 デスクトップモデルはいいなぁ・・。

翼下面はこんな感じ。
脚庫もぴったり閉まって・・。
増槽の接合部の塗り分けも、説明書通りに塗って・・。
だけど接合部の形は、電池に端子板を這わせる設計(想像)の名残で、H型になってしまっている。

 スタンドは出来はしっかりしているけれど、うわものの重さとバランスが取れないので、裏側の空洞部に粘土と石膏で型どりしてはんだを流し込んで重くした。





 もともとこういう設計だっとと思われるモールドがしっかり残っていたので、それに従って端子を自作して単4電池を仕込んだ。
 まわして止めるガイドらしいモールドまである。
 多分このせいで増槽のパイプを前傾にしなかったんだろうと思うけど、このキット、タミヤの中でも途中で設計者が変わったりしたとか雑誌に書いてあったので、あちこち手が抜けちゃったのはそういう理由もあったんだろうなぁ。
 そういう視点で眺めると翼面の内側も当初の設計の名残も見られて、それをしっかり利用してコネクタを作った。
 ゴム製のパッキングとの組み合わせでしっかり隙間が目立たないで止まるのでとても具合よい。