
古い袋詰めのキットだよ・・・、もうこんなの古い模型、模型屋探しても出てこないだろうなぁ・・・。
下に縦長の袋の展開写真と、入っていた図面を並べて掲載しました。 |
 メーカー名はどこにも書かれていないけれど袋に描かれているヨットの帆にASKとあるので多分それがメーカー名だと思いますが・・・とここまで書いて、試しに「教育玩具」「木製模型」とかのキーワードと「ASK」を組み合わせてググってみたら「ソリッドモデル
ASK」で出てきましたよ・・。
ネット曰く、ASK:渥美産業株式会社、静岡市馬淵町にあったと・・、1/1000のウォーターラインの戦艦模型が有名らしい。
静岡市馬淵町にあったという記述と、単身赴任時代に入手した古い模型屋が静岡県だったということも併せて、こいつは渥美産業という会社が出した教育玩具だったのだろうと思う。
袋の赤文字が「Saling」を「Salng」にミスっているのがこれまた希少だなぁ・・。
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これが組み立て図面の右上に書かれている全体の説明で、「單位粍」がレトロだけれど、仮名遣いは新仮名遣いになっているのでそんなに大昔のものではない。
主材料は入っているけれど、舵の部分に使う板金はブリキ板を切って使えと書いてあるし、針金は自分で調達になっている。
もっとすごいのは艇体で肋材に組み合わせる縦貫材は艇体表面を全面覆ってはおらず鳥籠みたいに骨組みを構成して、その上に和紙を貼付け塗料で防水しろと書かれているので、この指示通りには作らないで肋材伝いに隙間なく細板を並べて艇体を作った。
当然そのままでは水漏れしてしまうので裏からエポキシをべたべたに流し込んで強化と防水の処理を行った。 |

和紙を使えと書いてあるのは艇体だけでなく帆も同様だが、今時和紙を入手するより100均で帆に使えそうな端布を探す方が簡単なので帆は布にした。
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紙でなく布を使った以外は説明書のガイド通りに作ったけれど、縁に貼るたこ糸と、竹ひごの組み合わせがなかなか難儀で、帆を製作するにあたっては、帆の図を原寸大に拡大コピーしてボール紙の型紙を起こし、布を縫うのが面倒なのでアイロンで貼る裁縫用の接着剤を使って制作した。
出来上がりはそれなりに出来上がったのだけれど、竹ひごの骨が目立って「ヨット」というより「ジャンク」か?…といった雰囲気になった。
全体に接着剤といえばあの黄色のセメダインだった時代の、紙と糊と糸と釘にペンチを駆使して作れという時代のキットでその通り作ったらそれはそれで大変だったろうけれど文明の利器のおかげであまり苦労せずに出来上がった。
帆をマストや船首の棒材に糸で固定しているのでこのままでは分解できないが帆を外して船首の棒材と帆柱を抜いてから甲板を後ろ側にずらすと甲板を肋材のところに固定している爪が外れて甲板の前の部分が浮き上がるので、今度は浮き上がった状態で前にずらせば船尾の板に甲板を固定していた爪が外れ甲板全体を取り外せるように作った。
甲板を外さないと見えないが、肋材と肋材の間には発泡スチロールのブロックを詰め込んであるので、転覆しても沈まないようになっている。
以下完成品の写真を並べます。
台はキットについていなかったので角材を買ってきて作りました。 |
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